NHK版「スポットライト」3話と13話
前回のスポットライト地上波第3話とBS第13話。このいずれにも韓国の国内事情を表す似た台詞が出てきて、興味深かったです。
3話で、ウジンとテソクが、ミョンソン日報会長にからむ特ダネ取材を終えて、報道局の仲間に迎えられたかと、テソクがアン部長にこっそり耳打ちします。
「流せますか?」
するとアン部長
「何を言ってるんだ。当然だろう」
その言葉を聞いてほっとするテソク。
実はこの部長の台詞、オリジナルででは
「시대가 어느 시대인데...당연하지」
となっていて、過去には相当な報道規制が合ったことが伺えます。
NHK版ではカットされていますが、このシーンの前にウジンとテソクが同じような会話をしています。
ウジン「ギャップ、これは放送できるんでしょうか?」
テソク「どういう意味だ?」
ウジン「いえ、こんな大きな……いえ、何でもありません」
テソク「心配するな。どんな世の中だと思っているんだ。」
ウジンにはそういったテソクも実はちょっと心配だったわけですね。
そして、13話では、チョ・サンミン弁護士のインタビューを放送することになって、局長といつもの二人の部長がスタジオに向かう途中の会話。
局長が「おい、大丈夫か? 国家に噛みついて」というと
アン部長「当たり前じゃないですか。そんな時代じゃないですよ」
ジニさん主演映画「なつかしの庭」の民主化闘争の時代を経ても、盧泰愚の時代に大統領が直接選挙で選ばれるように憲法が改正されるつい最近まで、軍政によって報道の自由なんてないに等しかったんだろうということがわかります。
韓国の特別な歴史的背景があるとはいえ、どの国でも報道の現場は常に権力との闘いなのだろうと思います。
「スポットライト」を放送中のNHKさんも、議員の圧力で放送内容が変えられたなんていう話がありましたっけ。
「スポットライト」というドラマは、放送の世界にいる人たちが自らの世界の裏側までもしっかり描いた力作だと思います。このドラマを見ていると、報道されていることの裏側にどれだけ多くの真実が隠されていることかと考えさせられます。
日本のテレビや新聞も、話題性のある人気者知事の発言ばかり追いかけているけれど、そういう姿勢が、実は私たちが知らなければいけないこと、考えなければいけないことから目をそらす結果になっているのじゃないかと怖くなります。
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コメント
今日は重くはありますが重要なテーマですね。こういうドラマ・映画がオープンに上映できるようになった現在の韓国風土に感慨深いものがあります。昔々日本でも「若者たち」という社会批判のテレビドラマがスポンサーがつかなくなり映画化に移行したという経緯がありました。あれからン十年。現在のバラエティ中心の日本のテレビ界を見ていると私も何か危惧を感じます。
投稿: 夢みる子 | 2009年7月10日 (金) 23時08分
「若者たち」って、田中邦衛さん、山本圭さんなどが出演していたやつですね。そんなことがあったんですか。
視聴率とスポンサーと政治と正義感と……、そういったもの妥協の産物と思っては制作する人たちに失礼かもしれないですけどね。
投稿: miemama | 2009年7月11日 (土) 17時24分
こんばんわ・・・
コメントありがとうございました。
miemamaさんは韓国語にも精通してらっしゃるんですね。
カットされたセリフを知ることができて興味深かったです。
13話のあのインタビュー放送、よく流す事ができたな~と思いながら見ていましたが、『時代』とは言っても勇気のある行動ですよね。
私は韓国ドラマ初心者なので、これからいろいろ教えて下さいね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: きこり | 2009年7月12日 (日) 20時57分
きこりさん、こちらまでお越し頂いてありがとうございます。
最近、「スポットライト」の評判がいいので嬉しく思っています。
ところで、私、韓国語全くできません。すべて翻訳機と、分からない部分は検索して調べて補っております。検索しているうちに、シナリオまで手に入れちゃったんです。
次は是非「結婚できない男」も観てくださいませ。
投稿: miemama | 2009年7月13日 (月) 10時21分